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【Synology NAS】自己署名証明書 導入設定

【Synology NAS】自己署名証明書 導入設定

Synology NAS(DiskStationシリーズ)のHTTPS通信のセキュリティ設定の一例として、自己署名証明書の導入設定手順を紹介します。
  • 操作環境
    • OS:Windows11
    • Webブラウザー:Google Chrome
  • 対象機器(NAS):Synology DS416(DSM7.2.2/HDD×3/RAID-5)

 

 

NASにおける自己署名証明書の使用

NASのHTTPS通信でSSL証明書が導入されていないと、セキュリティ警告が表示されます。
ローカル環境やVPN環境に閉じてNASを使用するのであれば(つまりインターネットから直接NASにアクセスしない)、SSL証明書を第三者機関に申請・発行して使用するのではなく、自己署名証明書を作成して使用するのも選択肢の一つです。
これにより、セキュリティ警告が表示されなくなります。

図表1-1 Web画面アクセス時のセキュリティ警告

図表1-1 Web画面アクセス時のセキュリティ警告

 

この記事では、NASへの自己署名証明書の導入設定手順を紹介します。
なお、第三者機関によるSSL証明書の導入設定手順については、以前の記事でLet’s Encryptの例を紹介していますので、よろしければ参考にしてください。

 

証明書署名要求(CSR)作成

NAS管理者でDSM管理画面にアクセスし、[コントロールパネル>セキュリティ>証明書]を選択します。[設定]を選択します。

図表2-1 証明書の設定メニューへ

図表2-1 証明書の設定メニューへ

 

[詳細>証明書署名要求(CSR)を作成]を選択します。
以下の通り、CSRの情報を入力し、[次へ]を選択します。

  • コモンネーム:NASのWeb画面のURLで使用するホスト名
  • 電子メール:NAS管理者のメールアドレス
  • 位置、都道府県、市町村:NASの設置場所
  • 組織:NASを管理する組織名
  • 部門:NASを管理する部門名

図表2-2 CSRの作成

図表2-2 CSRの作成

 

[ダウンロード]を選択します。
[archive.zip]ファイルがダウンロードされたらこれを展開し、中身の2ファイルを[C:\temp\nas_cert]などの適当な作業フォルダーに配置します。

図表2-3 CSRのファイル取得

図表2-3 CSRのファイル取得

 

図表2-3で配置した2ファイルと同じ作業フォルダーに、SAN.txtというファイルを用意し、以下の通り記述します。

subjectAltName = DNS:***[図表2-2のコモンネームと同じ値],IP:xxx.xxx.xxx.xxx[NASのIPアドレス]
*DNSやIPを複数指定したい場合は、カンマで区切って記述します(例 DNS:AAA,DNS:BBB,IP:xxx.xxx.xxx.xxx)
*EdgeとChromeで確認した限り、SANにコモンネームと同じ値の設定がないと、セキュリティ警告が表示されます

図表2-4 san.txtの用意

図表2-4 san.txtの用意

 

OpenSSLによる証明書作成

OpenSSLをダウンロードし(Lite版で問題ありません)、インストールします。
インストール手順は難しくないので割愛します。

図表3-1 OpenSSL導入

図表3-1 OpenSSL導入

 

インストールが完了したら、タスクバーの検索欄に[openssl]と入力し、[Win64 OpenSSL Command Prompt]が表示されたら、[開く]を選択します。

図表3-2 OpenSSL起動

図表3-2 OpenSSL起動

 

cdコマンドで作業フォルダー(この例ではC:\temp\nas_cert)に移動し、以下コマンドを実行します。

openssl x509 -req -days 3650 -in server.csr -signkey server.key -out server.crt -extfile san.txt

図表3-3 OpenSSLコマンド実行

図表3-3 OpenSSLコマンド実行

 

作業フォルダー(この例ではC:\temp\nas_cert)にserver.crtが作成されます。
これをダブルクリックし、[証明書のインポート]を選択し、図表5-3,5-4のように作業PCにインストールします。
このインストール作業により、証明書が信頼された状態になります。

図表3-4 作成済証明書のインストール

図表3-4 作成済証明書のインストール


作業フォルダーのファイル群は紛失・盗難に遭わないよう安全な場所に保管しておきます。

 

NASへの証明書追加・有効化

DSM管理画面に戻り([コントロールパネル>セキュリティ>証明書])、[追加]を選択します。

図表4-1 証明書の追加へ

図表4-1 証明書の追加へ


[新しい証明書を追加してください]を選択し、[次へ]を選択します。
証明書名を適宜入力し、[証明書のインポート]を選択し、[次へ]を選択します。

図表4-2 証明書の追加

図表4-2 証明書の追加

 

以下の通りファイルを指定し、[OK]を選択します。

  • 秘密キー:作業フォルダーのserver.key
  • 証明書:作業フォルダーのserver.crt(図表3-4で確認したファイル)
  • 中間証明書:(指定しない)

図表4-3 証明書のファイル指定

図表4-3 証明書のファイル指定

 

証明書が追加されました。この証明書を有効化するため、[設定]を選択します。
[構成]メニューにて[システムデフォルト]([ログインポータル]が表示される場合はそれも)の証明書を今回追加した証明書に変更します。
これにより、工程6でWeb画面のアクセス時にセキュリティ警告が表示されなくなるか確認します。

図表4-4 証明書の有効化

図表4-4 証明書の有効化

 

工程5でユーザーPCに証明書をインポートするため、今回追加した証明書の写しを取得します。

*直接server.crtをユーザーPCにインポートする形でも動作します

 

追加した証明書を選択し、[操作>証明書のエクスポート]を選択します。

図表4-5 証明書のエクスポート

図表4-5 証明書のエクスポート

 

archive.zipファイルがダウンロードされたらこれを展開し、cert.pemをコピーしてcert.crtに変更します。
このcert.crtをユーザーPCにインストールすることで、そのPCでNASのWeb画面にアクセスした際、セキュリティ警告が表示されなくなります。

図表4-6 ユーザーPC用証明書準備

図表4-6 ユーザーPC用証明書準備

 

ユーザーPC 証明書インポート

ここからはNASにWebアクセスするユーザーPCでの作業になります。
この記事では手動で証明書を挿入しますが、Microsoft Intuneなどによる一斉配布もできます(Microsoft Intuneの場合は[デバイス構成ポリシー>管理テンプレート>信頼された証明書]で設定)。

 

タスクバーの検索欄に[certlm.msc]と入力し、これが表示されたら[管理者として実行]を選択します。

図表5-1 ユーザーPC certlm.msc起動

図表5-1 ユーザーPC certlm.msc起動

 

[信頼されたルート証明機関>証明書]を選択して右クリックし、[すべてのタスク>インポート]を選択します。

*インポートするツリーを間違えると正しく動作しないので、ご注意ください

図表5-2 ユーザーPC 証明書インポートへ

図表5-2 ユーザーPC 証明書インポートへ


証明書のインポートウィザードが表示されたら、[次へ]を選択します。
図表4-6で用意したcert.crtを選択し、[次へ]を選択します。

図表5-3 ユーザーPC 証明書インポートウィザード

図表5-3 ユーザーPC 証明書インポートウィザード

 

[信頼されたルート証明機関]が選択されていることを確認し、[次へ]を選択します。
[完了]を選択します。

図表5-4 ユーザーPC 証明書インポートウィザードの続き

図表5-4 ユーザーPC 証明書インポートウィザードの続き

 

[信頼されたルート証明機関>証明書]にインポートした証明書が表示されれば完了です。

図表5-5 ユーザーPC 証明書インポート結果確認

図表5-5 ユーザーPC 証明書インポート結果確認

 

ユーザーPC 動作確認

工程5のユーザーPCでNASのWeb画面にアクセスしてみます。

 

図表1-1と同じURL(ホスト名指定)でアクセスを試みたところ、セキュリティ警告が表示されなくなっていました。

図表6-1 ユーザーPCでの動作確認(ホスト名指定)

図表6-1 ユーザーPCでの動作確認(ホスト名指定)

 

ホスト名をNASのIPアドレスに変更してアクセスを試みたところ、セキュリティ警告が表示されなくなっていました。
図表2-4のSANの設定が効いていることが判ります。

図表6-2 ユーザーPCでの動作確認(IPアドレス指定)

図表6-2 ユーザーPCでの動作確認(IPアドレス指定)

 

おわりに

SynologyのナレッジセンターのDSM7.xにおける証明書のページでは、自己署名証明書の導入手順は掲載されていません。OpenSSLによるコマンド実行も必要なため、初めて扱う場合は煩雑に感じるかもしれません。備忘録を兼ねてこの手順を紹介しました。

 

 

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