
- 操作環境:
- OS:Windows 11
- Webブラウザー:Edge
- 使用プラン:Microsoft 365 Business Premium
- アプリ使用環境:
- OS:Android 14
- アプリ:PowerApps
以前の記事でバーコード読込登録機能付き書籍管理アプリの作成例を紹介しました。
この記事の備品管理アプリもQRコード読込による棚卸機能があり似ていますが、こちらの方が業務用途がありそう、かつ、フロー呼出しがなく手を付けやすいので紹介します。
要件・処理の流れ・項目の整理
この例では、以下のような要件にもとづき、アプリを実装します。
- 組織内で保有しているIT備品について、システム管理者がデータ登録・変更・削除を行えるようにする。
- 組織内メンバーはIT備品の全データについて、照会と棚卸を行えるようにする。
*システム管理者以外の組織内メンバーについては、本人が使用者もしくは本人の所属部署が使用部署になっているIT備品のみを照会・棚卸できるようにすべきですが、この例ではシンプルな要件としました
- IT備品にはラベルプリンターで作成したQRコード付きラベルを貼り付け、これをアプリで読み込ませることで、棚卸を行えるようにする。
- QRコード付きラベルの貼り付けが難しいIT備品も多くあるため、アプリでQRコードを使用せずとも一括棚卸を行えるようにする。
このアプリの処理の流れは以下の通りとします。
なお、このアプリはSharePointリストのデータを元に作成できるギャラリーアプリを使用します。ギャラリーアプリにQRコード読込による棚卸や一括棚卸機能を付加するという、手軽なアプリ作成のイメージとなります。

このアプリで扱う項目は以下の通りとします。
| 項目名(説明) | データ種類 | 必須 | 初期値等 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| equiment_code(備品コード) | タイトル | ○ | QRコードの値として使用する | |
| equiment_name(備品名) | 一行テキスト | ○ | ||
| category(カテゴリ) | 選択肢(*1) | ○ | *1.アプリ上、選択肢の手動追加を可とする | |
| maker(メーカー) | 選択肢(*1) | ○ | *1.アプリ上、選択肢の手動追加を可とする | |
| acquired_date(取得日) | 日付 | ○ | ||
| user_name(使用者,組織名) | 一行テキスト(*2) | (*3) | 本人 | *2.アプリ上、Officeユーザーの表示名と所属組織の選択肢とする *3.statusが使用中なら必須とする |
| place(使用場所) | 選択肢(*1) | ○ | *1.アプリ上、選択肢の手動追加を可とする | |
| status(ステータス) | 選択肢 | ○ | 使用中 | 選択肢:使用中,遊休,故障中,処分済 |
| is_fixed_assets(固定資産か) | 選択肢 | ○ | いいえ | 選択肢:はい,いいえ |
| inventory_date(棚卸日) | 日付 | |||
| disposed_date(処分日) | 日付 | (*4) | *4.statusが処分済なら必須とする | |
| memo(メモ) | 複数行テキスト | |||
| ID | 数値 | ○ | (自動取得) | 詳細&編集画面の見出しにラベル表示し、項目自体は非表示とする |
| 登録日時 | 日時(時間含む) | ○ | (自動取得) | |
| 登録者 | ユーザーとグループ | ○ | (自動取得) | |
| 更新日時 | 日時(時間含む) | ○ | (自動取得) | |
| 更新者 | ユーザーとグループ | ○ | (自動取得) |
アプリの完成イメージ
先にアプリの完成イメージを紹介します。
まずはQRコードによる棚卸を行ってみます。

書籍管理アプリの記事にも記載しましたが、二点補足します。
- QRコードの読込はWebブラウザーやTeamsデスクトップアプリからのアプリ表示では機能しません。スマートフォンにPowerAppsアプリを導入して使用する形となります。
- QRコードが読込中のままで備品データを取得できない場合、PowerAppsアプリ起動時の左上アイコンからメニューを開き、[キャッシュをクリア]を選択すると改善します。
今度は、一覧画面で一括棚卸を行ってみます(右の画面から)。

最後は、備品データの新規登録を行ってみます(右の画面から)。

なお、詳細画面はQRコードによる棚卸時と詳細表示時で共通のフォームを使用していますが、詳細表示時はQRコード読込ボタンが表示されないようにしています(右の画面の通り)。

SharePointリスト用意
この例では、既存の備品データ(Excelのテーブルとして用意)を元にSharePointリストを作成します。
この備品データにはdisposed_date列がありませんが、このExcelからSharePointリストを作成した後で列を追加します。

SharePointの任意のサイト(*)にアクセスし、左メニューの[サイトコンテンツ]を選択し、[新規>リスト]を選択します。

[Excelから]を選択します。
[ファイルのアップロード]を選択し、図表3-1のExcelファイルを指定します。

Excelファイルのテーブル名を選択し、列の種類はこの記事の最初の方の表で整理した取扱い項目のデータ種類に沿って選択し、[次へ]を選択します。

必要に応じてSharePointリストの名前を調整し、[サイトナビゲーションに表示]のチェックを外し、[作成]を選択します。
SharePointリストが作成されたら、[タイトル>列の設定>名前の変更]を選択し、列名を[equipment_code]に変更します。

この記事の最初の方の表の要件に従い、各列の設定を調整します(各列名を選択し、[列の設定>編集]を選択)。
例として、備品名・メーカー・取得日の設定画面のイメージを掲載します。

SharePointリストの一番右にある[列の追加]を選択し、[disposed_date]を追加します。

こちらは対応必須ではありませんが、SharePointリストの一覧参照時に分かりやすいため設定します。
SharePointリストの一番右にある[列の追加]を選択し、[列の表示と非表示を切り替える]を選択します。
[ID][登録日時][登録者][更新日時][更新者]にチェックをつけ、[適用]を選択します。

ギャラリーアプリ作成
Power Appsの画面にアクセスし、左メニューの[アプリ]を選択し、[新しいアプリ>アプリテンプレートで開始する]を選択します。
[データ中心のモバイルアプリ]の[SharePointから]を選択します。

工程3で作成したSharePointリストがあるサイトを選択し(表示されない場合はURL指定)、対象のSharePointリストを選択し、[アプリを作成する]を選択します。

アプリの編集画面が表示されたら、上メニューの[・・・>設定]を選択します。

左メニューの[全般]設定において、アプリの名前、アイコン、色などを適宜調整します。
同じ画面の下の方にある、[データ行の制限]を500から2000に変更します。

ラベルプリンターによるQRコードつきラベル作成(参考)
参考情報として、ラベルプリンターでQRコードつきラベルを作成する方法を紹介します。
紹介するラベルプリンターはBrother社のPT-P900Wです。PCにラベルプリンターを接続し、公式サイトから統合インストーラー(ドライバー・ラベル作成アプリ等を含みます)をダウンロード・インストールしておきます。

統合インストーラーのインストール完了後、ラベル作成アプリ[P-touch Editor]を起動します(デスクトップにアイコンが追加されている筈ですが、ない場合はスタートメニューから選択します)。
この例ではテンプレートを元にラベルのレイアウトを設計します。
[新規作成]を選択し、[データベースを接続する]にチェックをつけ、[備品管理]を選択します。

QRコードのついたテンプレートのうち、保有しているP-touchテープのサイズに合うものを適宜選択します(この例では24mmのテンプレート)。

[データベースファイルに接続する]を選択し、[参照]ボタンから工程3の最初に用意したExcelファイルを選択します。
[先頭行をフィールド名として使用する]にチェックをつけ、[次へ]を選択します。

データベーステーブルとして、Excelファイルの対象のワークシートを選択し、[次へ]を選択します。
ラベルのレイアウトが表示されたら、[データベースフィールド]にExcelシートの対象列を割り当てます。QRコードは[equipment_code]を割り当てています。

画面下部にデータ、画面上部に対応するラベルのイメージが表示されます。画面左側のプロパティでフォントや配置等を調整します。
調整が済んだら、ラベルを発行したいデータ行にチェックをつけ、[印刷]を選択します。複数チェックをつければ、まとめて印刷もできます。

[印刷]を選択すると、このラベルが印刷されます。

次の記事に続きます(第2回はアプリの編集・詳細画面、第3回は一覧画面の作成)。
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