Synology NAS(DiskStationシリーズ)のパッケージセンターから入手できる「Cloud Sync」の設定方法を紹介します。 Cloud SyncはNASとBOX等のクラウドストレージのフォルダーを同期することができます。
NASのデータバックアップ先としてクラウドストレージを使用する、クラウドストレージのユーザーやコラボレーターとNASのデータを共有する、といった活用方法があります。
・操作環境:
・OS:Windows11
・Webブラウザー:Edge
・対象機器:Synology DS416(DSM7.1.1/HDD×3/RAID-5)
・クラウドストレージ:BOX(どのプランでもCloudSyncは利用できる)
NASとクラウドストレージに同期用のフォルダーを用意する
NASに同期用のフォルダーを作成しておきます。
この例では、general\box_cloud_syncフォルダーとしています。
クラウドストレージ(この例ではBOX)に同期用のフォルダーを作成しておきます。
※クラウドストレージはサインインした状態にしておいてください。
Cloud Syncを設定する
[パッケージセンター]の[すべてのパッケージ]から[バックアップ]を選択し、[Cloud Sync]が表示されたら、[インストール]を選択します。
Cloud Syncのインストールが完了すると、[開く]と表示されますので、これを選択します。
[クラウドプロバイダー]画面では、同期対象のクラウドストレージ(この例では[BOX])を選択し、[次へ]を選択します。
クラウドストレージへのアクセス許可に関する確認メッセージが表示されたら、許可を選択してください 。
さらに、個人情報のリダイレクトに関する同意を求められたら、同意を選択してください。
[タスク設定]画面では、同期用のフォルダー(ローカルパス:NAS側、リモートパス:クラウドストレージ側)を選択し、[次へ]を選択します。
[要約]画面で設定内容を確認し、[完了]を選択します。
セットアップ完了のメッセージが表示されたら、[OK]を選択します。
[Cloud Sync]のホーム画面、緑のチェックマークが表示されれば、同期できる状態になっています。
同期の挙動を確認する
クラウドストレージとNASの双方からファイルをアップロードし、正常に同期されるか確認します。
まずはクラウドストレージの同期用のフォルダーにファイルをアップロードしてみます。
NASの同期用のフォルダーを確認すると、先ほどクラウドストレージの同期用のフォルダーにアップロードしたファイルが表示され、同期できていることが分かります。
今度はNASの同期用のフォルダーにファイルをアップロードしてみます。
クラウドストレージの同期用のフォルダーを確認すると、先ほどNASの同期用のフォルダーにアップロードしたファイルが表示され、同期できていることが分かります。
誤って同期用のフォルダーを消去・移動した場合の対処方法
誤って同期用のフォルダーを消去・移動した場合、NASのCloud Syncに関するエラーが表示され、同期が行われれなくなっています。
同期用のフォルダーが存在しない旨のエラーメッセージが表示される場合、 [タスクリスト]タブを選択しても、既存設定の編集ができません。一度リンクを解除して、再設定する形になります。
[概要]タブの[管理]から[リンク解除]を選択します。
リンク解除の確認メッセージが表示されたら、[はい]を選択します。
工程2の手順に従い、同期用のフォルダーを再設定します。
実際に運用していて意外と多いのが、NASの同期用のフォルダーをユーザーがうっかり別のフォルダーに移動してしまうことです。Cloud Syncの対象フォルダーが多かったり設定が複雑だったりする場合、再設定時にどのフォルダーを設定すべきか分からなくなるリスクがあります。Hyper Backup等でCloud Syncの設定をバックアップ対象にしてリストアできるようにするか(この後、実際に試した結果を紹介しています)、Cloud Syncの設定画面のスクリーンショットを保存しておく等すると良いかもしれません。
Hyper BackupでCloud Syncをバックアップ対象にし、NASの同期用のフォルダーを消去した後、バックアップからリストアして(※)、先ほどの同期エラーが解消するか試しました。リストアは成功しましたが、[Cloud Sync]で認証エラーが発生していました。
※ Hyper Backupの左メニュー[復元]から、[システム設定を復元しない]を選択
⇒データの復元で消去したフォルダーの上位フォルダーを選択
⇒アプリの復元で[Cloud Sync]を選択
前の画面で[再認証]を選択し、クラウドストレージの認証を行うと、認証エラーが解消し、正常な状態になりました。
データだけでなくCloud Syncの設定もバックアップしていれば、同期用のフォルダーが存在しない旨のエラーメッセージが出ても、リストアと再認証で元の状態に戻せることが確認できました。
運用上の注意点
Cloud Syncで使用するクラウドストレージによっては、同期できないファイル名・フォルダー名やファイルサイズ等の制約があります。下記記事に掲載されていますので、確認の上、運用してください。
※Cloud Sync>新しい接続の作成>注:
Cloud Sync - Synology ナレッジセンター
おわりに
Cloud Syncは運用上の注意点があるものの、NASのデータバックアップや外部ユーザーとのコラボレーション(※)での活用が期待できます。
※NASの一部フォルダーを外部ユーザーと共同編集したい場合、Cloud SyncでNASとクラウドストレージのフォルダを同期し、クラウドストレージに外部ユーザーを招待することで実現できます。