Synology NAS(DiskStationシリーズ)を初めて取り扱う方向けに、最低限必要な初期設定について紹介します。Synology NASは台湾のNASメーカーSynology社の製品で、単なるファイルサーバーとしての用途に留まらず、様々な活用方法があります。
・操作環境
・OS:Windows11
・Webブラウザー:Edge
・対象機器:Synology DS416(DSM7.1.1/HDD×3/RAID-5)
機器の設置・接続を行う
まず、NASのドライブトレイにHDDを設置します。この例では3.5インチのHDDを使用します。
表側のカバーを外します。
DS416は四本のドライブトレイが用意されており、ネジ固定が不要で扱いがとても簡単です。
ドライブトレイ上部の[PUSH]を書かれている箇所を押し、ドライブトレイを引き出します。
ドライブトレイの両脇にくっついている固定パネルを外し、HDDをドライブトレイに設置し、固定パネルを取り付けます。固定パネルが若干固いことがあるかもしれませんが、力はほとんど要りません。
※Synology製品互換リスト(対応ストレージドライブ):互換性リスト | Synology Inc.
HDD設置済のドライブトレイをNASに装着します(押し入れるだけ)。
NAS本体裏面にて電源ケーブルとLANケーブルを接続します。
NAS本体表面に戻り、電源ボタンを押します。起動後、NAS本体からピッと音が鳴るまで待ちます。
DSMのインストールを行う
NASのOSであるDSMをインストールします。
Webブラウザーより以下サイトにアクセスし、ローカルネットワーク内のNASを検索します。
※Synology検索URL:Synology Web Assistant
NASが見つかったら、[接続]を選択します。
[インストール]を選択します。
ローカルネットワークがインターネットに接続できる状態であれば、ここでDSMの最新版を導入することができます。[Synologyウェブサイトから最新バージョンを自動的にダウンロードする]を選択し、[次へ]を選択します。
使用するドライブにデータが存在する場合、削除の確認メッセージが表示されます。チェックボックスにチェックをつけ、[続行]を選択します。
※データが存在しない場合は確認メッセージは表示されません。
インストールが完了すると、ようこそ画面が表示されます。[起動]を選択します。
デバイス名、管理者アカウント、パスワード(二箇所)を入力し、[次へ]を選択します。
アップデートオプションは基本的に推奨設定で問題ありません。
※後でこの設定を変更することもできます。
Synologyアカウントの作成について、この例では設定紹介用のためスキップしますが、実際新規導入される場合は必要に応じて作成してください。
※後から作成することもできます。
匿名データの収集について、許可したくない場合はチェックを外してから、[送信]を選択します。
ストレージの設定を行う
DSMのインストールが完了すると、DSMのデスクトップ画面が表示されます。ストレージプールとボリュームの作成を促されますので、[今すぐ作成]を選択します。
[ストレージマネージャ]画面上に[ストレージ作成ウィザード]が表示されます。[起動]を選択します。
NASに接続しているドライブ構成に応じて、選択できるRAIDタイプがリスト表示されます。
この例ではHDD×3本でRAID-5を構成しますので、[RAID 5]を選択します。
RAIDタイプの選択に迷う場合は、選択時に表示される説明を参考にご検討ください。
RAIDの構成対象とするドライブを選択し、[次へ]を選択します。この例ではHDD×3本を対象としています。
使用するドライブにデータが存在する場合、それらのドライブを構成対象とするかどうかの確認メッセージが表示されます。既存データを無視して構成対象とする場合は[続行]を選択します。
※データが存在しない場合は確認メッセージは表示されません。
[割り当てられたサイズを修正]で[最大]ボタンを選択して最大値を設定します。
NASのモデルによっては、[ファイルシステムを選択]画面が表示され、Btrfsとext4から選択できます。Btrfsの方がスナップショット(バージョン履歴)の作成等ができるため、おススメです。
※この例で使用したモデルはBtrfs未対応のため、この選択画面は表示されません。
※Btrfs対応モデル:
どの Synology NAS モデルが Btrfs ファイル システムをサポートしていますか? - Synology ナレッジセンター
設定内容を確認し、[適用]を選択します。
使用するドライブにデータが存在する場合、既存データの消去に関する確認メッセージが表示されますので、[OK]を選択します。
※データが存在しない場合は確認メッセージは表示されません。
ストレージプールとボリュームの作成が開始されます。
ストレージプールとボリュームの作成が完了すると、%表示だった箇所が[正常]と表示されるようになります。
ネットワークやドライブの構成にもよりますが、この例(2.7TBのHDD3本をRAID-5で構成)では処理が完了するまで8.5時間位かかりました。
NASにData Scrubbing機能がある場合、ストレージを安定的に使用するため、これを実施します。
Data Scrubbingを効率的に実施するため、まずは上メニューの[グローバル設定]を選択します。
[より高速にRAID再同期を実行]を選択し、[保存]を選択します。
[Data Scrubbing]の[今すぐ実行]を選択し、確認メッセージが表示されたら、[実行]を選択します。
Data Scrubbingが完了すると、%表示だった箇所が[正常]と表示されるようになります。
ネットワークやドライブの構成にもよりますが、この例(2.7TBのHDD3本をRAID-5で構成)では処理が完了するまで8.5時間位かかりました。正直なところ、[より高速にRAID再同期を実行]の設定に効果があったのか、分かりませんでした・・・。
ネットワークの設定を行う(任意)
必須ではありませんが、内部DNSサーバー利用等のためNASのIPアドレスを固定にしたい場合、設定変更しておきましょう。
DSMデスクトップ画面の[コントロールパネル]を選択し、[ネットワーク]を選択します。
[ネットワークインターフェイス]を選択し、IPアドレスを固定にしたいインターフェースを選択し、[編集]を選択します。
[手動で選択する]を選択し、[IPアドレス]欄にNASで常に使用したいアドレスを入力し、[OK]を選択します。
※他の設定は特別な要件がなければ変更しなくても大丈夫です。
次の記事に続きます。