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【Microsoft 365⇒Google WS】データ移行3(共有ドライブ・チャット)

【Microsoft 365⇒Google WS】データ移行3(共有ドライブ・チャット)

前の記事の続きになります。Google Workspaceのデータ移行サービスを使用し、法人向けMicrosoft 365のメール・カレンダー・ドライブ・チャットの移行を検証しましたので、その結果を紹介します。
  • メール・カレンダーの移行:Exchange Online⇒Gmail, Google Calendar(第1,2回)
  • ドライブの移行:OneDrive, SharePoint Online⇒Google Drive(マイドライブ,共有ドライブ)(第2,3回)
  • チャットの移行:Teams⇒Google Chat(第3回)
  • 操作環境:
    • OS:Windows 11
    • Webブラウザー:Chrome
  • 使用プラン:Microsoft 365 Business Standard、Google Workspace Business Starter

 

 

SharePointファイル 移行実施

図表9-1はSharePointファイルの移行に関する要件操作手順です。

図表9-1 SharePointファイル 移行の要件・段取り

図表9-1 SharePointファイル 移行の要件・操作手順

 

以下のような段取りで進めるのが良いでしょう。

  • Google Driveの共有ドライブにフォルダー作成
  • 一部サイドキュメントのデータ移行、動作確認
  • 動作確認結果を踏まえた各ユーザーへの周知準備
    *移行されないもの、変更が生じるもの、ユーザーの方で対応が必要なものなどを明確に示すと良いでしょう
  • 各ユーザーへの周知発出
  • 各サイトドキュメントのデータ移行
  • 移行サービス終了前の差分移行(必ず実施)
  • 移行サービスの終了

移行後にSharePointでのファイル更新を抑制したい場合、ユーザーへの周知の他、手間ですがサイトドキュメントに対するアクセス権を変更するのも一策です。

 

Google Driveの[共有ドライブ]にてSharePointの各サイトのドキュメントの移行先となる共有ドライブを作成します。この例では4つのサイト用に作成しています。
それぞれアクセス権も設定します。この例では前々回の記事の工程2-4で作成したグループのメンバーと同じメンバーということで、このグループにコンテンツ管理者の権限を設定しています。

図表9-2 共有ドライブ作成・権限設定

図表9-2 共有ドライブ作成・権限設定

 

作成した共有ドライブを選択した時に表示されるURLの「・・・drive/folders/xxx」のxxx部分がドライブIDです。
各共有ドライブのこの値を控えておきます。

図表9-3 共有ドライブのID確認

図表9-3 共有ドライブのID確認


Google管理コンソールの左メニューの[データ>データのインポートとエクスポート>データ移行 (新規)]を選択し、[SharePoint]を展開し、[移行]を選択します。

図表9-4 SharePoint 移行の実行へ

図表9-4 SharePoint 移行の実行へ

 

ステップ1の[Microsoft SharePoint Onlineに接続]を選択します。

図表9-5 SharePointファイル 移行の実行(ステップ1)

図表9-5 SharePointファイル 移行の実行(ステップ1)

 

Microsoft 365の管理者アカウントでサインインし、Googleからのアクセス許可を承諾します。
[Connected]と表示されれば接続成功です。

図表9-6 SharePointファイル 移行の実行(ステップ1の続き)

図表9-6 SharePointファイル 移行の実行(ステップ1の続き)

 

ステップ2の[サンプルのCSVファイルをダウンロード]を選択し、ダウンロードしたファイルを開き、以下項目を入力して保存します。

  • Source SharePoint URL:SharePointサイトのホームURL
    (https://example.sharepoint.com/sites/site-name/)
  • Target Drive FolderID:図表9-3で控えたドライブID
  • Target GUser:共有ドライブのオーナーのメールアドレス

図表9-7 SharePointファイル 移行の実行(ステップ2)

図表9-7 SharePointファイル 移行の実行(ステップ2)

 

[CSVファイルをアップロード]を選択し、保存したCSVファイルを指定します。

図表9-8 SharePointファイル 移行の実行(ステップ2の続き)

図表9-8 SharePointファイル 移行の実行(ステップ2の続き)

 

ステップ3の[サンプルのCSVファイルをダウンロード]を選択し、ダウンロードしたファイルを開き、移行元/先のユーザー・グループのメールアドレスを入力して保存します。

*移行元/先でメールアドレスが異なる場合を考慮した、マッピング用のファイルです
*外部ユーザーは指定不要です(未指定でもアクセス権は移行されます)

図表9-9 SharePointファイル 移行の実行(ステップ3)

図表9-9 SharePointファイル 移行の実行(ステップ3)

 

[CSVファイルをアップロード]を選択し、保存したCSVファイルを指定します。

図表9-10 SharePointファイル 移行の実行(ステップ3の続き)

図表9-10 SharePointファイル 移行の実行(ステップ3の続き)

 

手順4では、移行対象を細かく指定したい場合に設定を調整します。調整したい項目がなければそのままで構いません。
設定が完了したら、[移行を開始]を選択します。
なお、移行は時間がかかりますが、完了までこの画面を開いておく必要はありません。図表9-4のメニューから再びこの画面にアクセスすれば、進捗状況を確認できますし、完了時に管理者宛にメール通知も行われます。

図表9-11 SharePointファイル 移行の実行(手順4,移行開始)

図表9-11 SharePointファイル 移行の実行(手順4,移行開始)


[移行ステータス レポート]の右に[完了]と記載されていれば、移行は完了しています。
特に失敗や警告が発生している場合は、[移行レポートをエクスポート]と[ユーザーレポートをエクスポート]をそれぞれ選択し、ダウンロードして内容を確認します。
なお、[スキップ済み]は差分移行実行時に、それ以前に移行済のデータを重複して移行しないようスキップしたときにカウントされます。

図表9-12 SharePointファイル 移行の実行(移行結果)

図表9-12 SharePointファイル 移行の実行(移行結果)

 

レポートがエクスポートされたら、失敗や警告の詳細を確認します。
Source URIとTarget URIで移行元/先の対象を特定できます。
失敗の可能性が高いのは、移行実行中のデータ編集です。図表9-12で[差分移行を実行]より差分移行を行うと、解決することがあります。

図表9-13 SharePointファイル 移行の実行(移行結果のレポート確認)

図表9-13 SharePointファイル 移行の実行(移行結果のレポート確認)

 

SharePointファイル 移行後確認、移行終了

公式記事に移行されるもの・されないものが明記されています。特に注意が必要な点を補足します。なお、ファイル・フォルダーやアクセス権限の移行仕様はOneDriveと同じです。

  • リスト・ウェブページ:移行されない
  • 外部ユーザーが作成したファイル・フォルダー:移行されない
  • バージョン履歴:移行されない

図表10-1 SharePoint 移行後確認(移行対象)

図表10-1 SharePoint 移行後確認(移行対象)

 

また、今回使用ライセンスの都合で検証していませんが、 Microsoft Purviewの秘密度ラベル(紹介記事)を使用する・IRM(紹介記事)を使用するなどして暗号化したファイルは、Google Drive側では復号化できずアクセスできないかもしれません。ファイルの暗号化を使用している場合、本格移行する前に移行後のファイルへのアクセス可否を確認することをお奨めします。

 

図表10-2はSharePointファイルの移行元/先の比較結果です。
移行元のアクセス権設定でダウンロード不可にしていたフォルダーは移行されませんでした。
また、移行先の最終更新者は移行作業者になっていました。

図表10-2 SharePoint 移行後確認(ドライブ比較)

図表10-2 SharePoint 移行後確認(ドライブ比較)

 

SharePointの別サイトで外部共有している「External_Shared」フォルダーの権限を比較したところ、 OneDriveの時と同様に、外部ユーザーのアクセス権は問題なく引き継がれていました。

図表10-3 SharePoint 移行後確認(権限比較)

図表10-3 SharePoint 移行後確認(権限比較)

 

OneDriveの時と同様に、SharePointに外部共有しているフォルダーやファイルがあると、移行実行時に外部ユーザーへ招待メールが自動で届くようです。
移行実行前に、組織内メンバーにその旨を周知し、メンバーから外部ユーザーに伝えてもらうと良いでしょう。
招待メール内のリンクをクリックすると、移行後のGoogle Drive内の共有資源にアクセスできました。

図表10-4 SharePoint 移行後確認(外部ユーザーに届いた招待メール)

図表10-4 SharePoint 移行後確認(外部ユーザーに届いた招待メール)


移行後確認が完了したら、Google管理コンソールの移行サービスにて最後の差分移行を行います。
最後の差分移行の結果で問題がなければ、[移行を終了する]を選択し、移行を終了します。
これにより、SharePointからの移行サービスにおける差分の認識がクリアされます。

図表10-5 SharePoint 移行の終了

図表10-5 SharePoint 移行の終了

 

 

 

Teamsチャット 移行実施

図表11-1はTeamsチャットの移行に関する設定手順実行手順です(要件はOneDriveやSharePointとほぼ同じため紹介は割愛します)。

図表11-1 Teamsチャット 移行の設定手順・実施手順

図表11-1 Teamsチャット 移行の設定手順・実行手順

 

以下のような段取りで進めるのが良いでしょう。

  • 一部チームチャットのデータ移行、動作確認
  • 動作確認結果を踏まえた各ユーザーへの周知準備
    *移行されないもの・変更が生じるもの・ユーザーの方で対応が必要なものなどを明確に示すと良いでしょう
  • 各ユーザーへの周知発出
  • 残りのチームチャットのデータ移行
  • ロールアウト前の差分移行(必ず実施)
  • ロールアウト ⇒ Google Chatの運用開始
  • 移行サービスの終了

移行後にTeamsのチャットを抑制したい場合、Microsoft 365のプランによってはTeamsを閲覧専用にすることが難しいため、誤ってTeamsのチャットを使用しないようユーザーへの周知が必要です。

 

Google管理コンソールの左メニューの[データ>データのインポートとエクスポート>データ移行 (新規)]を選択し、[チーム]を展開し、[移行]を選択します。

図表11-2 Teams 移行の実行へ

図表11-2 Teams 移行の実行へ

 

ステップ1の[Microsoft アカウントに接続]を選択します。

図表11-3 Teamsチャット 移行の実行(ステップ1)

図表11-3 Teamsチャット 移行の実行(ステップ1)

 

Microsoft 365の管理者アカウントでサインインし、Googleからのアクセス許可を承諾します。
[接続しました]と表示されれば接続成功です。

図表11-4 Teamsチャット 移行の実行(ステップ1の続き)

図表11-4 Teamsチャット 移行の実行(ステップ1の続き)

 

ステップ2の[サンプルCSVファイルをダウンロード]を選択し、ダウンロードしたファイルを開き、移行したいTeamsチームのチームIDを入力して保存します。
チームIDの確認方法はこの後紹介します。

図表11-5 Teamsチャット 移行の実行(ステップ2)

図表11-5 Teamsチャット 移行の実行(ステップ2)

 

Teams管理センターにアクセスし、左メニューの[Teams>チームを管理]を選択し、チーム一覧右上のExcelアイコンを選択します。
確認メッセージが表示されたら、[エクスポート]を選択します。
ダウンロードしたファイルを開くと、[Groups Id]列でグループIDの値を確認できます。

図表11-6 TeamsのチームID確認方法

図表11-6 TeamsのチームID確認方法

 

[移行マップのCSVをアップロード]を選択し、保存したCSVファイルを指定します。

図表11-7 Teamsチャット 移行の実行(ステップ2の続き)

図表11-7 Teamsチャット 移行の実行(ステップ2の続き)

 

ステップ3の[サンプルCSVファイルをダウンロード]を選択し、ダウンロードしたファイルを開き、移行元/先のユーザーのメールアドレスを入力して保存します。

*移行元/先でメールアドレスが異なる場合を考慮した、マッピング用のファイルです

図表11-8 Teamsチャット 移行の実行(ステップ3)

図表11-8 Teamsチャット 移行の実行(ステップ3)

 

[IDマップのCSVをアップロード]を選択し、保存したCSVファイルを指定します。

図表11-9 Teamsチャット 移行の実行(ステップ3の続き)

図表11-9 Teamsチャット 移行の実行(ステップ3の続き)

 

ステップ4では、移行対象を細かく指定したい場合に設定を調整します。調整したい項目がなければそのままで構いません。
設定が完了したら、[移行を開始]を選択します。
なお、移行は時間がかかりますが、完了までこの画面を開いておく必要はありません。図表11-2のメニューから再びこの画面にアクセスすれば、進捗状況を確認できますし、完了時に管理者宛にメール通知も行われます。

図表11-10 Teamsチャット 移行の実行(ステップ4,移行開始)

図表11-10 Teamsチャット 移行の実行(ステップ4,移行開始)

 

[ステップ5: 移行する]の右に[完了]と記載されていれば、移行は完了しています。
特に失敗や警告が発生している場合は、[移行レポートをエクスポート]と[ユーザーレポートをエクスポート]をそれぞれ選択し、ダウンロードして内容を確認します。
なお、[スキップ済み]は差分移行実行時に、それ以前に移行済のデータを重複して移行しないようスキップしたときにカウントされます。

図表11-11 Teamsチャット 移行の実行(移行結果)

図表11-11 Teamsチャット 移行の実行(移行結果)

 

レポートがエクスポートされたら、失敗や警告の詳細を確認します。Source IdentifierとTarget Identifierがメッセージリンクの値の一部になっており、メッセージを特定できそうです。
失敗の可能性が高いのは、移行実行中のデータ編集です。図表11-11で[差分移行を実行]より差分移行を行うと、解決することがあります。

図表11-12 Teamsチャット 移行の実行(移行結果のレポート確認)

図表11-12 Teamsチャット 移行の実行(移行結果のレポート確認)

 

Teamsチャット 移行後確認、終了

公式記事に移行されるもの・されないものが明記されています。
移行サービスで移行できるのはチームのチャットで、1:1のチャットやグループチャットは対象外、というのが重要ポイントです。

図表12-1 Teamsチャット 移行後確認(移行対象)

図表12-1 Teamsチャット 移行後確認(移行対象)

 

図表12-2はTeamsチャットの移行元/先の比較結果です。
チームチャット内のメッセージは問題なく移行されていました。
図表12-1にもあった通り、1:1のチャットやグループチャットのメッセージは移行されません。

図表12-2 SharePoint 移行後確認(ドライブ比較)

図表12-2 SharePoint 移行後確認(ドライブ比較)

 

【2025/11/29追記】
チャットのアクセス権比較の紹介が漏れていたので追記します。
外部ユーザーのアクセス権が引き継がれていません。
この例で使用しているGoogle Workspace Business Starterはチャットのスペースへの外部ユーザーの招待ができない(公式記事)ため、その影響と推測します。
上位プランをお使いの場合、外部ユーザーのアクセス権が引き継がれるか、確認することをお奨めします。

図表12-3 Teamsチャット 移行後確認(アクセス権)

図表12-3 Teamsチャット 移行後確認(アクセス権)

 

移行後確認が完了したら、Google管理コンソールの移行サービスにて最後の差分移行を行います。
最後の差分移行の結果で問題がなければ、[スペースをロールアウト]を選択します。
確認メッセージが表示されたら、[スペースをロールアウト]を選択します。
これにより、ユーザーがGoogle Chatを利用できるようになります。

図表12-3 Teamsチャット ロールアウト

図表12-4 Teamsチャット ロールアウト


ロールアウトが完了したら、[移行を終了する]を選択します。
確認メッセージが表示されたら、[移行を終了して削除]を選択します。
これにより、Teamsチャットからの移行サービスにおける差分の認識がクリアされます。

図表12-4 Teamsチャット 移行の終了

図表12-5 Teamsチャット 移行の終了

 

おわりに(注意事項まとめ)

Googleのデータ移行サービスにより移行作業自体は簡単にできますが、以下のような注意事項があります。現行システムの利用状況やユーザーへの影響を把握した上で、システム変更の要否や移行計画をしっかり検討する必要があります。

  • Exchange Online⇒Gmail, Google Calendar:
    • Exchange Onlineの共有メールボックスのメッセージは、Googleグループに移行できないため、メンバーのメールボックスにて移行する
    • 秘密度ラベル(以前の記事)などでメール本文や添付ファイルの暗号化の仕組みを利用していた場合、移行後に対象にアクセスできるか確認した方が良い
    • 会議室等のリソースは、移行後に選択し直す必要がある
    • 非公開予定の移行後の見え方について、念のため確認した方が良い
    • メールの振り分けルールやカレンダーの表示対象等、設定関連は移行後に各自で対応する(移行できるのはデータであり、設定は含まれない)
  • OneDrive, SharePoint Online⇒Google Drive
    • 外部共有されている場合、移行時に共有先へ移行後のリンクへの招待メールが自動送付される(事前に伝えておくと良い)
    • ダウンロード不可のアクセス権設定を施したフォルダーは、移行後にフォルダー下のファイルに対しその設定を行う必要がある
    • IRM(以前の記事)や秘密度ラベル(以前の記事)などでファイルやフォルダーの暗号化の仕組みを利用していた場合、移行後に対象にアクセスできるか確認した方が良い
    • SharePointから移行できるのはファイルやフォルダーであり、リストやウェブページは移行されない
  • Teams⇒Google Chatチャット
    • Teamsから移行できるのはチームのチャットのみであり、1:1のチャットやグループチャットは対象外となる
    • 【2025/11/29追記】Teamsのチームチャットに外部ユーザーを招待している場合、アクセス権が引き継がれるか確認した方が良い。引き継がれない場合は移行後に招待が必要(ただしGoogle Workspace Bussiness Starterの場合は招待不可)

 

 

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