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【Exchange Online】メールボックスアーカイブ設定

Microsoft 365 Exchange Online メールボックスアーカイブ設定

法人向けMicrosoft 365のメールサービス「Exchange Online」の一機能であるメールボックスアーカイブの有効化設定について紹介します。
これによりユーザーのメールボックスの容量逼迫に対応できます。
  • 操作環境:
    • OS:Windows 11
    • Webブラウザー:Edge
    • PowerShell:ISE
  • 使用プラン:Microsoft 365 Business Premium(試用版)
  • Exchange Online PowerShell:V3

 

 

プラン毎のデータ容量、アーカイブ有効化について

長く組織でメールを使用していると、メールボックスの空き容量不足に悩まされる方もいらっしゃるかと思います。Exchange Onlineには、通常のメールボックス(プライマリーメールボックス)とは別に、アーカイブ用のメールボックスが用意されており、クラウド環境に大容量のメールを保管することができます。

 

公式記事によると、保管できるデータ容量は、365のプラン毎に異なります。この記事で使用しているMicrosoft 365 Business Premiumの場合は、プライマリーメールボックスが50GB、アーカイブ用のメールボックスが1.5TBとなります。

図表1-1 メールボックスのプラン毎のデータ容量

図表1-1 メールボックスのプラン毎のデータ容量

 

メールボックスアーカイブはデフォルトでは有効化されていないため、これを有効化する必要があります。
また、メールボックスのデフォルトのデータ保持ポリシーは、二年以上経過したメールをユーザーのプライマリーメールボックスからアーカイブ用のメールボックスへ自動的に移動するようになっています。これを望まない場合は、予め別のデータ保持ポリシーを適用しておく必要があります(*)。
さらに、アーカイブ用のメールボックスは有効化した直後の容量が100GBとなりますが、自動拡張アーカイブをオンにすれば最大1.5TBの容量を確保することができます。
この後、これらの設定方法を紹介します。

*メールボックスアーカイブを有効化していない場合は、デフォルトのデータ保持ポリシーによる自動移動(二年以上経過したメールをアーカイブへ自動移動)は行われません

 

Purview メールボックスアーカイブ用ポリシー作成

WebブラウザーよりMicrosoft Purviewにアクセスし、[すべてのソリューションを表示する]を選択します。

図表2-1 Microsoft Purviewのメインメニュー選択へ

図表2-1 Microsoft Purviewのメインメニュー選択へ

 

[データガバナンス]の[データライフサイクル管理]を選択します。

図表2-2 データライフサイクル管理へ

図表2-2 データライフサイクル管理へ

 

サブメニューの[Exchange(従来版)>MRMアイテム保持ポリシー]を選択し、[Default MRM Policy]を選択します。

図表2-3 MRMアイテム保持ポリシーの確認

図表2-3 MRMアイテム保持ポリシーの確認

 

右側のリストの真ん中あたりに、[Default 2 year move to archive]という保持タグがあります。現状これが既定値になっています。
これを適用させないため、この例では[新しいポリシー]から別のポリシーを作成し、後ほどユーザーのメールボックスに適用します。

図表2-4 MRMアイテム保持ポリシーの確認の続き

図表2-4 MRMアイテム保持ポリシーの確認の続き

 

新しいポリシーでは、個人のメールボックス対し、メールの削除とアーカイブを自動で行わない既存の保持タグを選択してみました。

図表2-5 MRMアイテム保持ポリシーの作成

図表2-5 MRMアイテム保持ポリシーの作成

 

一点補足します。
類似設定として、左メニューの[ポリシー>アイテム保持ポリシー]があります。従来版との違いは以下の通りです。

  • 共有メールボックスやSharePoint等の保持ポリシーも設定できる
  • メールのアーカイブ移動に関する設定がない

公式記事ではこちらの設定メニューの使用を勧めていますが、メールのアーカイブ移動に関しては従来版を使用する、となっていました。

図表2-6 アイテム保持ポリシーとの比較

図表2-6 アイテム保持ポリシーとの比較

 

Exchange管理C メール保存関連設定の変更

Microsoft Exchange管理センターにアクセスし、左メニューの[受信者>メールボックス]を選択し、ユーザーを選択します。
右側に表示された設定項目の[全般]タブにある[メールアプリの設定の管理]を選択します。

図表3-1 Exchange管理センターのメールアプリ設定へ

図表3-1 Exchange管理センターのメールアプリ設定へ

 

[POP]を[無効]に変更し、[保存]を選択します。

*POPの無効化により、受信メールをメールサーバーから削除させないようにします

続けて、[メールボックス]タブを選択し、[メールボックスポリシーの管理]を選択します。

図表3-2 メールアプリ設定(POP無効化)

図表3-2 メールアプリ設定(POP無効化)

 

[アイテム保持ポリシー]を前の工程で作成したポリシーに変更し、[保存]を選択します。
続けて、[その他]タブを選択し、[メールボックスアーカイブの管理]を選択します。

図表3-3 メールアプリ設定(アイテム保持ポリシー選択)

図表3-3 メールアプリ設定(アイテム保持ポリシー選択)

 

[メールボックスアーカイブのステータス]を[有効]に変更し、アーカイブメールボックスの名前を適宜入力し、[保存]を選択します。

*ここの設定はPowerShellによる一括更新もできます

図表3-4 メールアプリ設定(メールボックスアーカイブ有効化)

図表3-4 メールアプリ設定(メールボックスアーカイブ有効化)

 

Exchange Online PowerShell 自動拡張アーカイブ有効化

自動拡張アーカイブの有効化はWeb画面ではなくPowerShellでの作業になります。前の記事の工程1で紹介したExchange Onlineへの接続を実行した後、以下コマンドを実行します。

  • User Aaaさんのメールボックスについて、自動拡張アーカイブを有効化する:
Enable-Mailbox user.aaa@xxxxxx.com -AutoExpandingArchive
  • User Aaaさんのメールボックスの自動拡張アーカイブの有効化状況を確認する:
Get-Mailbox user.aaa@xxxxxx.com | FL AutoExpandingArchiveEnabled

図表4-1 PowerShellによる自動拡張アーカイブの有効化

図表4-1 PowerShellによる自動拡張アーカイブの有効化

なお、上記画面の一行目はメールボックスアーカイブの有効化をPowerShellで実行した場合のコマンドです。

 

ユーザー操作 Outlookメールボックスの状態確認

数時間経ってから、ユーザーのメールボックスを確認してみます。
左ツリーの下部に、プライマリーメールボックスとは別に、[インプレースアーカイブ]というメールボックスが表示されるようになりました。
なお、プライマリーメールボックス内の[アーカイブ]フォルダーは、あくまでもプライマリーメールボックス内のものでインプレースアーカイブとは別のものとなります。

図表5-1 アーカイブ有効化後のメールボックスの状態

図表5-1 アーカイブ有効化後のメールボックスの状態

 

おわりに

Exchange Onlineのメール容量はプラン毎に細かく違いがあり分かりにくいですが、組織内のメールの活用度合いを踏まえて組織に合ったプランを選択しましょう。

 

データ保管にはお金がかかりますので(高額なプランへの変更やオプション追加)、組織全体に適用するのではなく、メールの空き容量がひっ迫しているユーザーから順次アーカイブを有効化するという展開の仕方もお奨めです。

 

 

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